業務でGoogle Workspaceを利用していますか?
ご存じないかも知れませんが、GoogleはGoogle Workspaceデータのバックアップには責任を負いません。免責事項には、データ損失に対する責任を一切負わないことが明記されています。
「Google が以下の法的責任を負うことはないものとします。
利益、収益、事業機会、業務上の信用、または期待された節約の損失間接的または結果的損害懲罰的損害」「ユーザーは、Google アカウントで行うことに責任を負います。これには、Google アカウントを安全に維持するために合理的な措置を講じることも含まれるため、定期的にセキュリティ診断を使用することをおすすめします。」
Googleがデータのバックアップに責任を負わないことを考えると、システム管理者は、ビジネスデータが常に利用可能な状態にするためにも、Google Workspaceデータを定期的にバックアップする責任があります。
本記事では、Google Workspaceデータをバックアップすることが重要である12個の理由を紹介します。
なぜGoogle Workspaceをバックアップする必要があるのか?
組織内のユーザーがさまざまな理由でファイルを削除することがあります。
以下はその一部の理由です。
ドライブの容量を確保するため:Google Workspaceのユーザーが、ストレージ容量不足の通知がされた際、重要性が低そうなファイルを削除して容量を確保しようとすることがよくあります。しかし、この行為にはリスクが伴います。
重複データの削除:Google Workspaceには、複数のユーザーが同じファイルを同時に編集できる共同作業機能があります。この機能は非常に便利ですが、時には同じファイルの異なるバージョンやコピーを作成してしまったりすることで、元のバージョンを見失うことがあります。このような場合、重複を削除しようとして誤って元のファイルを削除してしまうことがあります。
ファイルが誤って削除された場合でも、簡単に復旧するために、Google Workspaceの信頼性の高いバックアップソリューションを持つことをおすすめします。
サードパーティアプリケーションをインストールする際、ユーザーは外部アプリが要求する権限リストを確認せずに「許可」ボタンをクリックしてアクセスを許可することがよくあります。これらの「権限」は、ハッカーがデータにアクセスするためのゲートウェイとなり得る「見えない脅威」となり、重要なファイルの盗難、改ざんをされたり、完全削除をされてしまう可能性があります。
Adaptive Shieldの「2023 SaaS-to-SaaS Access Report」によると、一般的な10,000人のSaaSユーザーがいる組織では、約4,371個のアプリがGoogle WorkspaceとMicrosoft 365に接続されています。Google Workspaceに接続されているサードパーティアプリの89%以上が、企業のSaaSデータに対して高リスクまたは中リスクであるとされています。また、組織は接続されているアプリの数を追跡できず、これらのアプリが引き起こすリスクのレベルを把握することもできないと報告されています。
Google Workspaceのバックアップを持つことは、サードパーティアプリの脆弱性によるデータ損失を防ぐためにも重要となります。
Google Workspaceの「いつでも、どこでも」というコンセプトから、ユーザーは複数のデバイスで同時にアカウントにアクセスすることができ、利便性と簡単なアクセスを実現できます。
しかし、この機能には大きなセキュリティリスクも伴います。デバイスが盗まれた場合、機密データが第三者の手に渡ってしまう可能性があります。
Forrester Researchの「2023年データセキュリティの現状」レポートによると、デバイスの紛失や盗難による漏洩事故はデータ漏洩事故全体の17%を占めています。
このような事態は、機密情報の漏洩を引き起こすだけでなく、重要なビジネスデータが削除されるリスクを伴います。ほとんどのファイルがGoogleドライブで共有および保存されているため、Google Workspaceのバックアップがないと、これらのファイルが削除されてしまった場合に、永久的なデータ損失につながる可能性があります。
2023年3月、イギリスのアウトソーシング企業Capita社がランサムウェア攻撃を受け、復旧プロセスに約2500万ドルの費用がかかりました。この攻撃の被害により、Capita社は多額の費用を負担しただけでなく、株価が12%も下落しました。
ランサムウェアとは、攻撃者がデータを暗号化してロックし、その復号キーの提供に対して身代金を要求する悪意のあるソフトウェアです。攻撃者は、一見正当なメールに見せかけたメールにウイルスを含んだ添付ファイルを送信し、従業員が疑いを持たずにそれをうっかりクリックすることでデータにアクセスできるようにします。そしてアクセス権を得た攻撃者は、データを暗号化して身代金を要求し、指定された期限までに要求が満たされなければデータを消去すると脅します。
Google Workspaceデータをバックアップすることで、ランサムウェア攻撃が発生した場合でも、組織が迅速にデータを復旧できるようにし、ダウンタイムを最小限に抑え、恒久的なデータ損失のリスクを軽減することができます。
プロからのアドバイスSysCloudのGoogle Workspaceバックアップは、バックアップ中のデータをスキャンしてランサムウェアの存在を検出します。システム管理者は、感染したファイルを制御、削除することでランサムウェアの拡散を防ぐことができます。万が一、ランサムウェアによる暗号化が発生してしまった場合でも、安全なバックアップスナップショットからデータを復旧することができます。詳細はこちらをご覧ください。
パソコン版ドライブは、コンピュータとGoogleドライブ間でファイルを同期するツールですが、特定のセキュリティリスクを伴います。デスクトップがランサムウェアに感染してしまった際に、パソコン版ドライブが即時同期に設定されている場合、感染がすぐにGoogleドライブのファイルに伝播し、一瞬で暗号化され、ロックされてしまう可能性があります。
データ復旧に伴う膨大な時間とコストを回避するためにも、Google Workspaceのバックアップを保持することが重要です。
Google Workspaceの共同作業機能は、チームメンバー間でのファイルやフォルダの共有を容易にし、同じドキュメントを同時に編集できることで効率を高められ、工数削減に繋がります。
しかし、この機能にはユーザーによる重要なデータの上書きのリスクも伴っています。
Googleのバージョン管理システムはドキュメントの変更を追跡しますが、ユーザーが行った特定の変更を手動で元に戻すのは困難で時間がかかることがあります。
さらに、共同作業者が誤ってファイルを削除してしまうリスクもあり、気づいた時には復旧できないといった場合もあります。
これらの問題に効果的に対処し、データの完全性を確保し、失われたファイルや変更されたファイルを迅速に復旧するためにもGoogle Workspaceのバックアップソリューションを導入することが重要になります。
Google Workspaceのようなクラウドベースのサービスは、利便性と柔軟性を提供しますが、障害から完全に免れるわけではありません。これらの障害は、技術的な問題やメンテナンスによる一時的な障害から、サービスの永久的なシャットダウンのような、より深刻なケースまで多岐にわたります。
障害が発生すると、Google Workspaceに保存されている重要データへのアクセスが一時的に失われ、生産性が低下し、納期の遅れやビジネスチャンスを逃す可能性があります。予期せぬ長期的なシャットダウンが発生した場合、クラウドに保存されているデータが永久に失われるといったリスクがあります。
Google Workspaceの堅牢なバックアップソリューションを導入することで、企業はデータの独立した信頼性の高いコピーを保持し、Googleの障害が発生した場合でも迅速に復旧できるようになります。
業務で複数のアプリケーションを使用していますか?
さまざまなアプリケーションを利用する企業では、これらのアプリケーションの統合が意図せずに重要データの損失につながることがあります。
例えば、2つのアプリケーションを同期すると、一方が他方の既存データを部分的または完全に上書きしてしまうことがあります。これは警告なしに発生する可能性があり、その結果、これらのアプリケーション内の元データが失われてしまうことがあります。
バックアップソリューションがあれば、セーフティネットを提供し、このような偶発的な上書きが発生した場合でも、元のデータを簡単に回復および復旧できるようにします。
9. Google TakeoutもGoogle Vaultも十分ではない
Google Takeoutは、Google Workspace内のシンプルなツールで、ユーザーはこれを使用して Google のサービスに保存されているデータをダウンロードできます。ただし、バックアップ ソリューションのセキュリティと復旧機能がないため、バックアップの代替としては不向きです。Google Takeoutをバックアップの代替手段として使用する場合には、次のような制限があります。
あなたが作成したファイルが共有フォルダにある場合、そのデータをダウンロードすることはできません。データ復旧に手間がかかります:Google Workspaceのデータをすべて復旧する必要がある場合、異なるファイルタイプが複数の.zipファイルに分散している可能性があります。これらを手動で整理して順番に並べる必要があります。Google Takeoutをバックアップの代替手段として使用すべきでない理由についは、こちらをご覧ください。
また、Google Vaultは、Google Workspaceに保存されたユーザーデータを、エンドユーザーの操作に関係なく保持するアーカイブツールです。
ですが、Googleアカウントが削除されると、そのアカウントに関連付けられたデータも完全に削除されてしまいます。また、データ損失が発生した場合に、Vaultを使用して迅速にデータを復旧することはできません。Google Vaultとバックアップソリューションの違いについては、こちらをご覧ください。
企業合併や、大企業による小規模企業の買収などの際に、データ移行は重要なプロセスです。データ移行中には、データの破損、不完全な転送、人為的ミス、ソフトウェアやハードウェアの故障、フォーマットの非互換性、セキュリティの脆弱性などのリスクがデータ損失を引き起こす可能性があります。
Google Workspaceのバックアップソリューションを使用することで、移行中にデータが失われたり破損したりした場合でも、元のデータを復旧するための信頼性のあるコピーを確保できます。
組織は、その規模に関係なく、訴訟目的や法的コンプライアンスのために現在および過去のデータの記録を保持することが求められています。
Google Vaultを使用して訴訟ホールドを作成し、アーカイブから過去のデータを取得することは可能ですが、そのデータを取得するためには関連するGoogle Workspaceアカウントが削除されていないという条件があります。
このような場合、バックアップソリューションはより良い選択肢として機能し、常にすべてのデータのコピーが利用可能であることを保証します。
従業員が退職した際、保有ライセンスを再利用するために、退職者のユーザーアカウントを削除されることがよくあります。しかし、削除後20日以内にデータを移行しないと、その削除されたユーザーに関連するすべてのデータが失われる可能性があります。
専用のバックアップソリューションを使用することで、退職する従業員が所有するファイルを含むすべてのデータが、共有権限を維持したまま安全にバックアップされることが保証されます。
プロからのアドバイスSysCloudのクロスユーザーリストア機能を使用すれば、システム管理者は削除されたユーザーのGoogle Workspaceデータを別のユーザーアカウントに復旧できます。これは、従業員が退職した場合に、その従業員のデータを管理者や後任者など関連するユーザーアカウントに復旧するのに役立ちます。
Google Workspace用のSysCloudバックアップ
上記の理由によるデータ損失リスクとGoogle Workspace標準の保持ツールの制限を考慮すると、Google Workspaceにはサードパーティのクラウドバックアップソリューションを導入することがいかに重要であるかがわかります。
SysCloudのようなサードパーティのクラウドバックアップアプリケーションは、Google Workspaceのデータを簡単にバックアップおよび復旧するための信頼できるオプションになります。
SysCloudのGoogle Workspaceバックアップは、Googleアプリの重要な全てのデータを安全なクラウドにバックアップします。SysCloudは、Amazon Web Services(AWS)を使用して、完全に自動化されたクラウド間のバックアップと復旧機能を提供します。
SysCloudを使用すると、システム管理者は誤って削除されたデータやランサムウェア攻撃から簡単に復旧でき、バックアップアーカイブのコンプライアンス違反を見つけることが可能です。
SysCloud(Google Workspace用)についてはこちらをご覧ください。