この記事では
  • Outlookのメールをバックアップ/復旧する方法(個人ユーザー向け)
  • Outlookのメールをバックアップ/復旧する方法(システム管理者向け)

Outlookのバックアップ方法完全ガイド(スクショ付き)

11 May 2021
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読了時間:17分
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執筆者:Annu Palathingal
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ブログ記事

Outlookは最も人気のあるメールサービスの一つです。

最新のデータによれば、Microsoft 365は月間アクティブユーザーが2億5800万人を超えています。多くのユーザーがOutlookをコミュニケーションやデータ共有のために利用しているため、Outlookのデータを安全に保つための方法を学ぶことが重要です。

システム管理者であれ、個人のOutlookユーザーであれ、Outlookのメールデータをバックアップおよび復旧するためのすべての方法を以下に解説します。
下図のフローチャートを参考に、あなたに最適なOutlookのバックアップと復旧方法を確認してください。

フローチャート 展望

Outlookのメールをバックアップ/復旧する方法(個人ユーザー向け)

個人ユーザーでOutlookのバックアップを行っていない場合は、以下の方法があります。
  • 削除済みアイテムフォルダーから削除したメールを回復する
  • インポート/エクスポートウィザードを使用する
  • ドラッグ&ドロップを使用する
  • メール転送を使用する
  • 削除済みアイテムフォルダからメールを回復する

    受信トレイから誤ってメールを削除した場合、削除済みアイテムの一覧から簡単に復旧できます。(削除したメールは30日間、削除済みアイテムフォルダーに残ります)

    • Outlookアカウントにログインします。

    • 左ペインで削除済みアイテムフォルダーに移動します。

    • 復旧したいメールを選択します。

    削除された項目
    • メニューバーの「移動」ボタンをクリックし、受信トレイなど復旧先のフォルダを指定することで復旧できます。

    この操作は、目的のメールを右クリックで「移動」を選択することも可能です。

    完全に削除されたメールを回復する

    削除済みアイテムフォルダーからメールが誤って削除された場合でも、削除から30日以内であれば、回復可能なアイテムフォルダーから復旧できます。
    削除済みアイテムフォルダーから削除されたメールを復旧するには以下の手順に沿ってください。

    • 削除済みアイテムフォルダーに移動します。

    • 「このフォルダーから削除されたアイテムを復元する」リンクをクリックします。

    • 回復可能なアイテムフォルダーに移動します。

    注意:回復可能なアイテムフォルダには直接アクセスすることはできません。削除済みアイテムフォルダを通じてのみアクセスできます。

    • 復旧するメールを選択し、「復元(元に戻す)」ボタンをクリックします。

    回収可能品目

    以上で、削除済みアイテムから削除されたメールが受信トレイに戻ります。

    インポート/エクスポートウィザードを使用したバックアップと復旧方法

    インポート/エクスポートウィザードを使用すると、個人ユーザーはメールを手動でバックアップし、ローカルストレージに保存できます。メールデータは、Outlookのインポート機能を使用して復旧できます。

    注意:このインポート/エクスポートウィザードはデスクトップ版Outlookのみで利用可能で、Web版では使用できません。

    Outlookのバックアップツールとしてエクスポート機能を使用する

    • Outlookデスクトップアプリを起動します。

    • メニューバーで「ファイル」を選択します。

    • 「開く/エクスポート」-「インポート/エクスポート」を選択し、インポート/エクスポートウィザードを開きます。

    輸出
    • 「ファイルにエクスポート」を選択し、「次へ」をクリックします。

    • エクスポートしたいフォルダー(例:受信トレイ)を選択し、「次へ」をクリックします。

    • 「参照」ボタンをクリックして、エクスポートするメールを保存する場所を選択します。

    エクスポートツール
    • 「完了」ボタンをクリックします。選択したフォルダ(例:受信トレイ)はpstファイルとしてエクスポートされ、指定した場所に保存されます。

    インポート機能を復旧ツールとして使用する

    メールの復旧は、インポート/エクスポートウィザードのインポート機能を使用して行えます。

    • Outlookデスクトップアプリケーションを起動します。

    • メニューバーの「ファイル」をクリックします。

    • 「開く/エクスポート」-「インポート/エクスポート」を選択し、インポート/エクスポートウィザードを開きます。

    • 「他のプログラムまたはファイルからのインポート」を選択し、「次へ」をクリックします。

    復元ツール
    • 「Outlookデータファイル (.pst) 」を選択し、「次へ」をクリックします。

    Outlookデータファイル
    • 「参照」をクリックしてPSTファイルの場所を指定し、「次へ」をクリックします。

    • インポートするフォルダ全体、または特定のサブフォルダーのみを選択する場合は、インポートするフォルダをクリックします。

    • 設定を確認し、「完了」ボタンをクリックします。

    制限事項

    • 最新の状態を維持するためには、定期的に手動でバックアップを取る必要があります。

    • ローカルストレージの容量を節約するために、古いバックアップを定期的に削除する必要があります。

    • このウィザードを使用して、個別のメールをエクスポートまたはインポートすることはできません。

    ドラッグ&ドロップを使用したバックアップと復旧方法

    • ドラッグ&ドロップを使用してメールをバックアップします。

    • 個別のメールをバックアップするには、ファイルをドラッグ&ドロップでコンピューター上のフォルダーに移動します。

    注意:この機能はデスクトップ版Outlookでのみ利用可能です。

    個別のメールをドラッグ&ドロップする方法

    • バックアップ用のメールを保存するフォルダーをコンピューター上に作成してください。

    • デスクトップ版のOutlookを起動し、重要なメールを先ほど作成したフォルダーにドラッグ&ドロップしてください。

    ドラッグ&ドロップ
    上記はメールのコピーが作成されるだけで、元のメールはOutlookアプリケーション内に残ります。メールは「ファイル」-「名前を付けて保存」でも保存することができます。

    復旧方法

    Outlookから削除されたメールを復旧するには、Outlookバックアップフォルダーからデスクトップ版Outlookにメールをドラッグするだけで復旧できます。

    ドラッグ&ドロップ復元

    メール転送でOutlookのデータをバックアップする方法

    メールのバックアップを簡単にできるもう一つの方法は、別のアカウントにメールを転送することです。メール転送の設定をしておけば、元のアカウントでメールを失った場合でも、別のアカウントにメールが保存されているため、安心です。

    Outlook on the webでメール転送を設定する方法

    • Outlookのツールバーで「設定」を選択し、「メール」をクリックします。

    メール転送
    • 「転送」を選択します。

    • 「転送を有効にする」のラジオボタンをクリックし、メールのコピーを転送する先のメールアドレスを入力します。

    • 「保存」をクリックします。

    これで、受信するすべてのメールが自動的に指定したメールアドレスに転送されます。

    無料版Outlookでメール転送を設定する方法

    • 画面右上にある「設定」アイコンをクリックし、「すべての設定を表示」を選択すると、アプリ内で新しいポップアップウィンドウが開きます。

    電子メール転送無料アウトルック
    • 「メール」-「転送」を選択します。

    転送オプション
    • 「転送を有効にする」のラジオボタンをクリックし、メールのコピーを転送する先のメールアドレスを入力します。

    • 「転送済みメッセージのコピーを保持する」チェックボックスをオンにして、メールが転送された後も元のメールボックスにメールが残るように設定します。

    • 「保存」をクリックします。

    以上で、受信したすべてのメールが指定したメールアドレスに自動的に転送されます。

    注意:デスクトップ版Outlookには転送機能はありませんが、「ルールと通知」を使用して、メールを別のアカウントに転送することができます。

    Outlookのメールをバックアップ/復旧する方法(システム管理者向け)

    Microsoft 365には、組織のOutlookデータを自動的にバックアップする単一機能やWebアプリケーションはありませんが、いくつかの標準機能を使用することで手動でメールをバックアップすることができます。システム管理者であれば、以下の方法でOutlookデータのバックアップと復旧が可能です。
    Outlookの訴訟ホールドを使用する
    eDiscoveryを使用する
    サードパーティアプリを使用する

    訴訟ホールドをOutlookバックアップの代替手段にする

    訴訟ホールドは、法的理由で必要なメールの変更や削除を防ぐための標準機能です。

    注意:訴訟ホールド機能は、Microsoft 365 Enterprise E3およびE5プランでのみ利用可能です。

    訴訟ホールドとバックアップとの関連性

    今後の利用に備えてデータを保護するため、管理者は任意のユーザーのメールボックスを訴訟ホールドの対象にすることができ、必要な期間すべてのメールボックスの内容が保持されます。
    例えば、ユーザーがメールを完全に削除したとしても、そのメールボックスが訴訟ホールドに設定されていれば、管理者はそのメールにアクセスすることが可能になりますので、誤って削除された場合や意図的な削除があった場合でも、データにアクセスできるため、訴訟ホールドはOutlookのバックアップツールとして機能します。

    制限事項

    Outlookのデータホールドは、ランサムウェアのようなマルウェア攻撃やシステム障害の際には有効ではありません。Outlookのデータを自動的にバックアップできるSysCloudのようなサードパーティアプリを使用する方が、はるかに効果的です。

    eDiscoveryをOutlookバックアップの代替手段にする

    eDiscovery(電子情報開示)とは、法的手続きにおいて証拠となり得るデータを検索し、特定するプロセスです。また、eDiscoveryは重要なビジネスデータを必要な期間だけ保持するためにも使用することができます。
    このツールには以下の4つの機能があります。
  • Case(ケース):データを整理し、保持されているデータを特定のユーザーに制限する方法です。

  • Hold(保留):重要なデータをユーザーによる変更や削除から保護します。

  • Search(検索):システム管理者が特定のデータを検索できる機能です。

  • Export(エクスポート):発見されたデータを.pstファイルとしてエクスポートします。

  • 制限事項

    • 各ユーザーには利用可能なストレージ容量が限られています。ストレージの容量制限を守るためにメールを削除すると、その削除されたメールは回復することができません。また、ユーザーアカウントが削除された場合、バックアップデータも完全に消えてしまいます。

    • eDiscovery機能は、Microsoft 365 Enterprise E3またはE5プランのみ利用可能です。

    サードパーティツールでOutlookをバックアップする

    前のセクションでは、Microsoft 365に搭載された機能がOutlookをバックアップする代替手段として機能する可能性があると解説しました。しかし、これらの機能はデータのバックアップや復旧することを目的とした専用ツールとしては設計されていません。そのため、バックアップには十分な効果が得られず、ユーザーフレンドリーでもありません。
    では、簡単かつ効果的にOutlookをバックアップするにはどうすれば良いでしょうか?

    サードパーティ製ツールは、バックアップと復旧専用に設計されており、信頼性が高く、データを簡単にバックアップし、手間なく復旧することが可能です。特にSysCloudは、完全に自動化されたクラウド間のバックアップおよび復旧サービスを提供しており、Amazon Web Services(AWS)、Microsoft Azure、Google Cloud Platformといった信頼性の高いWebサービスを使用してデータを保存しています。

    SysCloudのようなサードパーティツールを使用することで、以下のことが可能になります。

    • 数クリックで特定のメールやすべてのメールを簡単にアカウントへ復旧でき、インポートやエクスポートの手間を省くことができます。

    • 社員の退職等によってアカウント削除を行っても組織のデータを安全に保持し、ライセンスコストを削減できます。

    • 技術的な知識がなくてもOutlookのバックアップと復旧を簡単に行うことが可能です。

    • 大規模なチームでも高速にバックアップが可能です。

    • 管理者権限の強化と安全なデータ保管場所によって、データセキュリティを向上させることができます。

    SysCloudでOutlookをバックアップする手順は以下の通りです。

    • ※以下は旧バージョンのSysCloudでの手順になります。
      SysCloudにログインします。

    • 管理者アカウントでMicrosoft 365にログインします。

    • SysCloudのダッシュボード画面を表示します。

    • メニューバーから「バックアップ」-「バックアップを開始する」を選択します。

    シスクラウドダッシュボード
    • バックアップしたいユーザーアカウントを選択します。

    • 画面右側にある「追加」ボタンをクリックします。

    • 選択したユーザーがバックアップリストに追加されます。

    • 「バックアップを開始する」ボタンをクリックして、バックアップを開始します。

    バックアップの進行状況は、「アーカイブ・リストア」ページで確認できます。
    これで、データのセカンドコピーが安全にクラウドに保存され、必要に応じて復旧できるようになります。

    サードパーティツールでデータを復旧する方法

    SysCloudであれば、紛失または削除されたメールデータの復旧は非常に簡単で、工数削減に繋がります。特定のメール、ドメイン全体でも、わずか数回のクリックでOutlookのデータを復旧可能です。

    SysCloudでデータを復旧するには、以下の手順に沿ってください。

    • SysCloudにログインします。

    • メニューバーから「バックアップ」-「アーカイブ・リストア」を選択します。

    アーカイブ (1)
    • すでにバックアップが完了しているユーザーのリストや、バックアップの進行状況が表示されます。

    • データの復旧が必要なユーザーをクリックします。

    ユーザー
    • ユーザーのすべてのバックアップ済みデータ(メールを含む)が表示されます。

    SysCloudでは、ユーザーのすべてのメール、または特定のメールを復旧することができます。

    メールを受信トレイに復旧するには、以下の手順に沿ってください。

    • 復旧したいメールを選択します。

    • 「リストア」ボタンをクリックし、「選択したアイテム」を選んで選択したメールを復旧するか、「すべて」を選んですべてのメールを復旧します。

    Outlookバックアップ-シスクラウド復元

    メールアドレスを確認し、「リストア」ボタンをクリックすると、指定された受信トレイにメールを復旧します。

    なぜOutlookをバックアップする必要があるのですか?

    • データ損失が起きた場合でも、バックアップを持っていれば、組織や業界で定められたデータセキュリティや保持に関する規制を遵守することができます。

    • メールやドキュメントをバックアップしておくことで、訴訟が発生した場合にも組織を守ることができます。

    • バックアップを取っておくことで、紛失したり削除されたデータを素早く簡単に復旧できるため、業務の中断を最小限に抑え、生産性が向上します。

    • データを紛失・損失した場合でも、バックアップデータにアクセスできるため、業務の継続性に影響を与えません。

    • 従業員が故意に重要データを完全削除したり、予期せぬ災害で重要なデータを失った場合でも、バックアップがあれば組織を損失から守ることができます。

    • 全てのビジネスデータをバックアップしておくことで、ランサムウェア攻撃に遭った際にも組織を救うことが可能です。

    システム管理者向けOutlookバックアップのベストプラクティス

    • パスワードは、12文字以上で、特殊文字、数字、大文字を含む長いパスワードを使用しましょう。

    • パスワードを記録せず、必要であれば暗号化機能を備えたパスワード管理ツールを使用してください。

    • 多要素認証を有効にしましょう。

    • DKIMでメールを認証し、SPFで送信者を認証し、DMARCでなりすましの送信スパムを防止することで、メールのセキュリティを強化します。

    • SysCloudなどを使用して、自動的にOutlookのバックアップをスケジュール設定しましょう。

    • 繁忙期や重要なプロジェクトの納品時など、必要に応じて手動でOutlookのバックアップを行いましょう。

    • Outlookのバックアップストレージを常に監視し、バックアップのサブスクリプション上限を超えないように確認してください。

    関連コンテンツ

    OneDriveデータのバックアップ方法については、「システム管理者向けOneDriveバックアップ完全ガイド」をご覧ください。

    Outlookの設定でフィッシングやランサムウェアを防ぐ方法については、「フィッシング攻撃を防ぐためのMicrosoft 365管理センターでのOutlook設定5選」をご覧ください。

    この記事では
    • Outlookのメールをバックアップ/復旧する方法(個人ユーザー向け)
    • Outlookのメールをバックアップ/復旧する方法(システム管理者向け)
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