- SharePoint Onlineを手動でバックアップする方法
- Microsoft 365の標準機能でSharePointをバックアップする3つの方法
- サードパーティアプリを使用してSharePointをバックアップする方法
- Microsoft 365 SharePointサイトをバックアップすべき理由
- SharePointのバックアップに関するよくある質問
Microsoftによると、25万以上の組織がSharePointを使用しており、その中にはFortune 500(フォーチュン500)に掲載されている企業の85%が含まれています。多くの企業でSharePointが採用されているということは、さまざまな理由によりデータ損失のリスクが増加することも意味しています。
Microsoftの利用規約には、SharePointデータのバックアップについてMicrosoftが責任を負わないことが明記されています。以下はMicrosoft 365の利用規約の抜粋になります。
SharePoint Onlineのバックアップ方法

SharePoint Onlineを手動でバックアップする方法
ステップ1:ブラウザでSharePointサイトを開きます。
ステップ2: サイトを開いたら、左メニューの「ドキュメント」をクリックします。バックアップするファイルを選択し、右クリックして「ダウンロード」を選びます。

ステップ3:ダウンロードしたファイルをバックアップ用のディスク等に保存します。
手動でバックアップする際の制限事項
- すべての操作を手動で行うため、相当な時間がかかります。
- 完全手動のため、新しいデータや更新されたデータのダウンロードを忘れる可能性が高い。
- コンピュータや外部ドライブに問題が発生した場合は、バックアップしたデータが消えてしまいます。
- データ損失が発生した場合、SharePointのデータ復旧には面倒な手間がかかります。
Microsoft 365の標準機能でSharePointをバックアップする3つの方法
- 方法1:OneDrive同期クライアントを使用してSharePointファイルをバックアップする
- 方法2:電子情報開示(eDiscovery)機能を使用してSharePointをバックアップする
- 方法3:アイテム保持ポリシーを使用してSharePointをバックアップする
1. OneDrive同期クライアントを使用してSharePointファイルをバックアップする方法
ステップ1:SharePointにログインし、OneDriveデスクトップアプリケーションと同期する必要があるサイトを開きます。
ステップ2:左メニューの「ドキュメント」をクリックします。

ステップ3:「同期」をクリックして、ドキュメントをデスクトップ上のOneDriveフォルダにダウンロードします。この操作により、ポップアップの確認画面が表示されます。

ステップ4:「OneDriveを開く」をクリックします。

注意:この操作を実行するには、Microsoft OneDriveデスクトップアプリケーションをデバイスにインストールする必要があります。こちらからダウンロードしてください。
OneDrive同期クライアントを使用した場合の制限事項
バックアップ頻度:バックアップの作成を手動で行うため、バックアップ作業が不定期になりがちになります。
ストレージの制限:ディスク容量に限りがあるため、重要度が低い、もしくは古いファイルを削除しなければなりません。
自己責任:この方法は、各ユーザーが自身のデータのバックアップに責任を負う場合にのみ適用されます。管理者が個々のユーザーのバックアップ状態を管理することはできません。
2. 電子情報開示(eDiscovery)機能を使用してSharePointをバックアップする
注意:eDiscoveryツールを利用するには、Microsoft 365 Enterprise E3またはE5プランにする必要があります。
Case(ケース): データを整理し、保持されているデータを特定のユーザーに制限する方法です。
Hold(保留): 重要なデータをユーザーによる変更や削除から保護します。
Search(検索): 管理者が特定のデータを検索できる機能です。
Export(エクスポート): 発見されたデータを.pstファイルとしてエクスポートします。
ステップ1:Microsoft 365管理センターにログインします。
ステップ2:左メニューの「管理センター」-「コンプライアンス」をクリックします。

ステップ3:Microsoft Purviewポータルが表示されたら、左メニューの「電子情報開示」-「標準」をクリックします。

ステップ4:「ケースを作成」をクリックして、ユーザーデータを保持するケースを作成します。

ステップ5:ケースの名前と説明を入力して、「保存」をクリックします。

ステップ6:ケース名をクリックして、作成したケースを開きます。

eDiscoveryで保留を作成する方法
ステップ7:上部の「保留リスト」に移動し、「作成」をクリックします。

ステップ8:保留リストの名前と説明を入力して「次へ」をクリックし、「場所を選択」画面に遷移します。

ステップ9:SharePointサイトの状態を「オン」にしてから「サイトを選択」をクリックします。

ステップ10:SharePointサイトのリストから対象にするサイトを選択し、「完了」をクリックします。「新しい保留リスト」の作成ページに戻りますので、「次へ」をクリックします。
ステップ11:クエリでは、「フィルターを選択」および「フィルターの追加」をクリックし、キーワード、日付、送信者/作成者、サイズ、件名などを指定し、「次へ」をクリックします。

ステップ12:保留リストの設定を確認し、「送信」をクリックして完了します。
eDiscovery機能を使用した場合の制限事項
- 各ユーザーが利用できるストレージには限りがあります。ストレージの制限内に収めるためにファイルを削除した場合、その削除されたファイルは復旧できません。また、ユーザーアカウントが削除された場合も、バックアップデータは完全に失われてしまいます。
- eDiscovery機能は、Microsoft 365 Enterprise E3またはE5プランでのみ使用可能です。
3. アイテム保持ポリシーを使用してSharePointをバックアップする方法
アイテム保持ポリシーを有効にする方法
ステップ1:https://compliance.microsoft.com にアクセスします。
ステップ2:左メニューの「ポリシー」-「保持」に移動します。

ステップ3:「新しいアイテム保持ポリシー」をクリックします。

ステップ4:ポリシーの名前と説明を入力し、「次へ」をクリックします。

ステップ5:保持ポリシーの種類を選択し、「次へ」をクリックします。

ステップ6:SharePointの「含まれる」列にある「編集」をクリックし、保持ポリシーを適用するSharePointサイトを選択後、「完了」をクリックし、「次へ」をクリックします。

ステップ7:コンテンツの保持に関する設定を行い、「次へ」をクリックし、設定内容を確認したら「送信」をクリックして完了します。(ポリシー適用までに最大で1週間かかる場合があります)
アイテム保持ポリシーを使用した場合の制限事項
- 保持されたデータは、Microsoft 365のストレージ容量に含まれます。
- データ損失が発生した場合、保持されたファイルはオフラインでエクスポートすることしかできず、手動で復旧する必要があります。大量のファイルを復旧する場合には、相当な工数がかかります。
サードパーティアプリを使用してSharePointをバックアップする方法
SysCloudのようなサードパーティのクラウドバックアップアプリケーションは、完全に自動化されたクラウド間のバックアップと復旧サービスを提供します。
SysCloudは、業界標準のクラウドストレージインフラを使用し、軍事レベルのセキュリティを備えています。SysCloudを導入することで、システム管理者はわずか数クリックでMicrosoft 365のデータをバックアップ、復旧することができます。
なぜSharePointのバックアップにサードパーティのクラウドバックアップツールを使うべきなのか
アカウント削除後のデータ保持:ユーザーアカウントが削除された後も、組織のデータを安全に保持できます。社員の退職時には、ライセンスコストの削減につながります。
障害時にもデータアクセスが可能:Microsoft 365で障害が発生した場合でも、オンラインバックアップサービスを通じてSharePointデータにアクセスできます。(Microsoft 365の障害はそれほど珍しいことではありません)
工数削減の効果:大規模なチームのバックアップ管理にかかる工数を削減できます。
セキュリティの強化:管理制御の強化とランサムウェア攻撃に対する保護機能を備えることで、データセキュリティが強化されます。
自動/スケジュールバックアップ:1日に複数回の自動バックアップをスケジュールすることができます。
SysCloudでSharePointをバックアップする方法
ステップ1:Microsoft 365のグローバル管理者アカウントで、SysCloudにログインします。

ステップ2:上部メニューの「バックアップ」-「アーカイブ・リストア」をクリックします。

ステップ3:「SHAREPOINT & TEAMサイト」タブをクリックし、バックアップしたいデータのあるユーザーアカウントを選択します。

ステップ4:「アクション」を選択し、「バックアップを開始する」をクリックします。

ステップ5:ポップアップ画面が表示されますので、「はい」を選択します。


Microsoft 365 SharePointサイトをバックアップすべき理由
ランサムウェア攻撃によるデータ損失
Bitdefender社の「Mid-Year Threat Landscape Report 2020(脅威レポート)」によると、2019年と比較して2020年にはランサムウェア攻撃の件数が7倍に急増したと発表されました。ランサムウェア攻撃が発生した場合、オフサイトバックアップを持っていないSharePointユーザーは重要なデータを失う可能性があります。
ユーザーエラーによるデータ損失
Data Center Knowledgeによると、データ損失の70%は誤って削除されたことが原因です。これは、組織内の従業員が以下のような場合に発生することがあります。
内部の脅威
情報セキュリティフォーラムのマネージングディレクターであるスティーブ・ダービン氏は、コロナ禍による大規模な在宅勤務(リモートワーク)モデルへの移行が、給与の減額、昇進機会の減少、将来への不安などにより、従業員の不満や不信感を引き起こす可能性があると説明しています。不満を抱えた従業員が、重要なビジネスデータを完全に削除してしまう可能性があります。
SaaS障害時の事業継続性
CRNによると、2020年10月7日にMicrosoftのサーバーは10日間で3度目となる障害を起こしました。この障害は、9月28日に発生した5時間の障害と、10月1日に発生した4時間の障害に続くものです。SharePointのファイルをバックアップすることで、障害が発生してSharePointが利用できない場合でも、ファイルにアクセスできるようになります。こうした障害は決して珍しいことではありません。
標準の保持設定の制限
法令遵守と訴訟目的のため
削除されたSharePointのファイルを復旧する方法
バックアップは、ビジネスデータを保護するための第一歩に過ぎません。Microsoft 365の管理者にとって、完全に削除されたSharePointファイルを復旧させる機能も非常に重要です。削除されたSharePointのファイルを復旧するさまざまな方法については、こちらをご覧ください。
SharePointのバックアップに関するよくある質問
Q:SharePointのデータを外付けドライブにバックアップするにはどうすればよいですか?
SharePointのファイルを外付けドライブにバックアップするには、手動で必要なファイルをデバイスにダウンロードします。ファイルがローカルデバイスにダウンロードされたら、それらを外付けドライブにコピーします。
Q:SharePointのすべてのファイルをPCにダウンロードするにはどうすればよいですか?
Q:MicrosoftはSharePoint Onlineをバックアップしていますか?
いいえ、MicrosoftはSharePointのデータをバックアップはしていません。Microsoftの利用規約には、過失や悪意のある活動によるデータ損失に対して責任を負わないことが明記されており、SharePointのファイルを含むMicrosoft 365のデータはサードパーティのアプリを使用してバックアップすることを推奨しています。
Q:SharePointでサブサイトを別のサイトに移動するにはどうすればよいですか?
ステップ1:Microsoft 365管理センターにログインします。
ステップ2:左メニューの「管理センター」-「SharePoint」を選択します。
ステップ3:SharePoint管理センターで「アクティブなサイト」をクリックし、SharePointアカウント内のすべてのアクティブなサイトが表示されたら、移動したいサイトのURLをクリックします。
ステップ4:サイトを開いた後、「サイトコンテンツ」をクリックします。
ステップ5:「サイトコンテンツ」には、現在のサイトのすべてのコンテンツとサブサイトが表示されますので、「サブサイト」タブをクリックします。
ステップ6:移動したいサブサイトにの「アクションの表示」アイコンをクリックして、「サイトコンテンツ」を選択します。
ステップ7:左メニューの「ドキュメント」をクリックし、任意のフォルダーを選択して「移動」をクリックします。
ステップ8:移動先のサイトを選択し、「ここに移動」をクリックします。
Q:SharePointのサイトは何日間バックアップされますか?
Microsoftによると、SharePoint Onlineでは実際に削除された後も、すべてのコンテンツを14日間保持します。「ごみ箱」から「アイテムの復元」ができない場合、管理者は削除から14日間の期間内であれば、Microsoftサポートに連絡して復元を依頼することができます。
Q:SharePoint Onlineのデータはどこに保存されますか?